優衣が無抵抗なのをいいことに胸を揉みしだきながら、もう片方の手をスカートの中へもぐらせる。
 膝の上から大腿をそっと撫でると、まるで痙攣するみたいにびくびくと震えていた。
 家にいたからストッキングは穿いていないようだ。
 素肌の柔らかさを、じかに掌に感じる。
「や……ぁ、あ……ん」
 そのまま撫で上げてやると、優衣の赤らんだ眼のふちからぽろぽろと涙が零れた。
 宥めるようにくちづけしてやると、仔犬みたいな鳴き声をあげる。
 やばいぞ。
 この辺で止めておくべきだ。理性はそう訴えているが、感情がついていかない。
 やっぱり動物だな。俺。

 3.14159 26535 89793 23846 26433 83279 50288……円周率を唱えている場合じゃない。
 だが、優衣の涙に濡れた顔は、いつもよりずっと色っぽく扇情的で、俺をたまらない気持ちにさせる。
 普段の図書館で見せる穏やかで、優しいあの表情とはまったく違う。
 もう少し……。
 もう少しだけ、優衣のこの顔を見ていたい。
 眉根を寄せて、苦しげに快感に呑まれまいとして必死で抵抗する。この顔が……。
 無垢で、奇麗な彼女を、こうして俺の色に染めかえてしまいたい。
 さんざん穢いものばかりを吸い込んだ俺と同じにしてしまえば、俺以外の誰にも触れられなくなる。
 ほかの誰も手を出さないように、俺だけのものだと消えない印をつけてやりたい。どんなに泣いても暴れても無理やりに抱きしめて閉じ込めてしまおうか。
 そんな凶悪な感情が沸き起こってくる。
 このまま取り返しのつかないほど、彼女を傷つけたとしても俺は、優衣を手放すことはできそうもない。



「ふっ……あ、……おり、べくん……」
 優衣はうわ言のように、俺を呼ぶ。
 ただし苗字。
 こいつはいつまで、こんな呼び方を続けるつもりなんだ。
「なんだ。俺に触られるのがいやか」
 そう言いながらも、手を休めることはしない。短いスカートの下の柔らかな双丘を撫でる。
 胸とは、また違う質量感のある触り心地。つるつるした生地がやけに邪魔に感じる。
「ちが……違う。そう、じゃないの……でも」
 消え入りそうなほど小さな声で、優衣は訴える。
 本当は、泣くほど怖いくせに。
 怯えきって震える姿があまりに可愛らしくて、いっそう苛めたくなってくる。
「でも、なんだ」
「こ、……こんなとこじゃ……や……なの……」
 恥ずかしそうに口の中で、もごもごと言う。
「ああ、そうだな。もう少し場所を考えようか」
 俺がそう言うと、優衣は安心したのだろう。ほうっと吐息を漏らす。
 固くこわばっていた身体から力が抜けたのを見計らって、ショーツの脇から指を入れてやった。
「ひうっ!」
「なんだ。いやがっているわりに、ぐしょぐしょじゃないか」
「あ……あっ……」
 言葉でなじってやると、彼女は本当に悲しそうな顔をして涙をこぼした。
 指先に触れる部分は、驚くほど柔らかで薄い花びらを重ねたような感触が伝わってくる。
 あふれるほどの露を滴らせているのが、どうしようもなく嬉しかった。
 ゆっくりと縦の筋をなぞってやると、腰がびくびくと動く。
 触れるのさえ、ためらわれるほど可憐で初々しかった彼女を、俺がこの手で昂ぶらせているのだ。
 手さぐりで、肌と粘膜の間を往復しながら、割れ目の中へ中指を沈める。
「はあぅっ……あ、んぁあっ」
 声を抑えることさえ、できずに優衣はかぶりをふった。
「いくら夜だからって、こんなところでおかしな声をあげて……どうするんだ」
 耳もとで息を吹き込みながら言ってやると、優衣は竦みあがった。
 同時に、彼女の中に沈めた指がぎゅっと締め付けられる。
 こんなに蕩けているくせに。



「もし……人が通りかかったらどうする?」
 そう言いながら俺は、周囲に注意を払うのを忘れてはいなかった。
 いくら、さかっていても路上で自分がやっている行為が犯罪であることぐらいは理解している。
 しとどに濡れそぼった秘裂へ、押し込んだ中指は締め付けられるのに、さらに奥へと誘い込まれるようだ。
 歪曲した襞が、いっそう収縮を繰り返す。
 ゆっくりと浅く抜き差しを繰り返すと、優衣の身体が面白いように跳ね上がる。
 指一本でこんなにきついんじゃ、普通に入れたら壊れるんじゃないか。
 ふと、そんな不安が頭をもたげる。
 さらにもう一本、指を増やしてやった。
 溢れる蜜が潤滑油になって思っていたより、すんなりと侵入を許すがきついのは同じだ。
 優衣の呼吸が荒くなってきた。ちょっとやりすぎたか。
 そっと指を抜き、代わりに包皮の上から淫核を親指で軽く撫でてやると、それだけで優衣の足が突っ張る。
 必死で声をこらえているのだろう。
 唇をかみ締めて、眉間に皺をよせる。
 敏感すぎるだろう。
 だが、そんなところがまた可愛い。

 ふやけそうなほどに濡れた指を、自分の目の前へ持ってきた。
 きらきらと、粘液は光っている。
 生あたたかい女の匂いが微かに漂う。俺はその蜜の匂いに誘われるように舐めた。
 口の中に彼女の味が広がる。
 どこか涙の味に似ているような気がした。
 だが、俺の手から解放された優衣は、ぼんやりとはしていなかった。
 俺が彼女の蜜を舐めているのを見ると、顔色を変えて必死で止めにくる。俺の腕にしがみついて、口に入れるのを阻もうとするのだが、そんなか弱い力で何ができるというのか。
「止めて……お願いっ!」
 俺が止めないので、優衣はほとんど泣きそうな声をあげた。
 無視して、指先についたものをすべて舐め取ってしまう。
「なんだ。優衣も欲しいか。自分のだぞ」
「織部くんのヘンタイ!」
 潤んだ眼のまま、気丈に優衣は言い返してくる。
「お前だってその格好、通行人が見たら露出狂と間違えられそうだな」

 俺の言葉に、すぐに顔を赤くする。判りやすい……というか、単純というか。
「織部くんがやったんじゃない」
 あわてて優衣は、ブラウスの襟を直そうとするが許してやらない。
 襟の合わせ目から手を突っ込んでバストをつかみ、揉みしだきながら指の間に乳首を挟み込む。
 それだけのことで、優衣の身体から力が抜けた。
 抵抗する様子がないのを見て、襟もとをくつろげる。下着をずらすとレースの下から茱萸の実のような先端がこぼれる。
 外気にさらされたせいで、いっそうそそり立つ様子が愛らしい。
 指先でわずかに力を込めてねじりこんでやると、最初にしたのとは違う反応が返ってくる。
 鼻にかかった甘い吐息。耳朶に歯を立ててやると、すすり泣きのような声をあげる。

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